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昔、吉野くんから聞いたインコの話がものすっごいおもしろかったんですよー。
でも、僕その話忘れてしまったんですよね…高校卒業してから会ってないし、
電話して聞いてみようかな?
そういえば、久しぶりに会った友達が豹変してることってありますよね〜。
僕が高校一年のとき、半年以上会ってなかった市野くんから突然電話がかかって
きたんですよ。市野くんは電話で、「今日ポケ暇?ちょっとさー、中学校のとき
通ってた塾の先生に会いにいかない?」
僕と市野くんは中学校のときに同じ塾に通っていたんですよ。
それで市野くんは久しぶりにそのときの塾の講師に会いに行こうというんです。
久しぶりの再開というやつですね。
でも僕は知っていました。市野君は中学3年生の冬、同じ塾に通っていた中学1年生の
女の子に告白していたんです。アンタッチャブルの山崎にそっくりな市野くんは
さらっとふられてしまったんですが、きっと彼女を見に行きたいんだと。
そして僕は市野くんに「いや、今日は暇じゃないから行けない」と断ったんですが、
市野くんは「頼むよ〜頼むよ〜、石沢先生に会いたいんだよ〜」ってしつこく迫って
くるもんですから、僕はしょうがなく市野くんに付き合ってその塾へ行くことにした
んですよ。
それから30分くらい経った頃、妹が僕に言うんです。
「外にやくざがいる。恐いから警察に電話して」と。
普通に生活している一家に突然やくざが…僕は何事かと思い外を隠れるようにして
覗き込んだんですよ。そしたらですね、何か、紫色の虎柄のセーターを着て、
パンチパーマで金のネックレスをした市野くんが僕の家の前に立ってるんですよ。
中学生のときは、もっぱらアディダスのジャージばかり着ていた市野くんが、
完全に勘違いした格好になってるんですよ。
そして僕がおそるおそる外に出て行くと
「おう、ポケくん久しぶり〜」
とか言ってくるんです。自分の変わった姿を僕に自慢するかのように。
僕は本気で傘とかで突付きまくってでも帰ってもらいたかったんですが。
まー、そんな市野くんでも中学校時代の親友です。僕らは塾へ行く前に
マクドナルドへ行って昔話に花を咲かせていたんですよ。
でも少し話をしていると、だんだんと市野くんのおかしなところが気になって
きたんです。だってね、市野くん僕の飲むオレンジジュースを見ながら
「オレンジジュース!!オレンジジュース!!」って言ってずっと大爆笑してるんですよ。
完全に何か吸ってると思うじゃないですか。マックでパンチパーマと二人きりって
いう状況だけでも十分帰りたいのに、隣で「オレンジジュースが、オレンジジュースだー」
とか言って笑われてたら、周りにいる人たちだって、可哀想な子たちねーって
思いますよね。実際、周りの視線もきつかった僕は速攻でオレンジジュースを飲み干してさっさと店を出ましたよ。
そんで、そのマクドナルドから目と鼻の先にあった塾に僕等は向かったんです。
その辺りから市野くんは確実にそわそわしてきていたんですが、僕はこの後
起こりうるであろうおもしろい展開に興味しんしんだったんで見て見ぬ振りをして
ました。だって、市野くんは確実に、かっこよく変身した自分の姿をその女の子に
見せに行きたいんですもん。でも、そのときの女の子のリアクションを想像したら
おかしくてしょうがないですよね。僕はにやにやしながら、市野くんはそわそわしながら
目的の塾にたどり着きました。
塾に着くと僕は「石沢先生!久しぶりです!」と石沢先生に声をかけました。
その横で市野くんは「こんにちは…」ってもの凄い小声で挨拶してました。
そうなんですよねー、僕は石沢先生と凄く仲が良かったんですけど、市野くんは
別に仲良くないし、たいして話したこともなかったはずなんですよ。
そんな展開も輪をかけて、もう僕はおかしくておかしくて、このパンチパーマ
頭悪すぎだよーなんて心の中で大爆笑していたんですよ。
そして僕が石沢先生と話をしていると市野くんが石沢先生に尋ねたんです。
市野くん「そこのクラスの授業何時までですかね?」
石沢先生「後一時間だよ。誰か待ってるの?」
市野くん「いやいや。ただ気になっただけなんですけど」
何で意味もなくそこのクラスの授業の終わる時間が気になるんだよ!!
このパンチおもしろすぎるっ!!て、僕は顔を後ろに向けて
笑いをこらえるのに必死でした。そのクラスは正しく市野くん求愛の
子がいるクラスだったんですけど、たぶん市野くんはその子が授業に通っている
日とかも事前にチェックしていたんでしょう。
結局僕は市野くんに付き合って一時間そのクラスの授業が終わるのを
待つことになったんですよ。そして一時間後、そのクラスの授業が終わり
中からその子が出てきました。そうすると市野くんはささっと一人で
外に出て行ってしまいました。僕は瞬間的に、パンチの奴一人で女の子を呼んで
告白をきめこもうとしてやがんなと察知して、ここまで付き合ったあげく、
こんなおもろい現場を逃すものかと、市野くんにばれないように後を追いました。
僕が外に出ると、市野くんは塾の裏っかわの所でそわそわしまくってました。
それはそうでしょう。今から誰にも気付かれないように女の子を呼び出して、人気の無い
場所でこっそりと告白をしようとしているんですから。
そんなパンチの健気さに心を打たれた僕は、「市野くん何してるの〜?」って
普通に邪魔してやりました。もう市野くんは、エッチなテレビを見たいのに親が
わざとやってんのか?って思うくらいになかなか寝ないでその日に限って
やけに話し掛けてきやがるみたいな煙たそうな顔で僕をにらんでました。
それはそうでしょう。わざとやってるんですから。
そんなかんなで、その女の子は僕らが立っていた塾の裏に自転車を取りに
やって来てしまったのです。市野くんは僕に「ちょっとあっち行っててくれない?
小便したいんだ」とか言ってましたが、そんなもんは無視するに決まってます。
そんでどうしようもなくなった市野くんは僕が側にいる横で、その子に声をかけました。
市野くん「あの〜、奥田さん。市野ですけど覚えてますか?」
奥田さん「えっ!?(女の子が男の子の性器を初めて見たときの顔)」
市野くん「ちょっと話したいんだけどいいかな?」
奥田さん「はっ…はい……(市野くんの胸にある豹をじっと見つめながら)」
そして二人は前にある公園に行って話す感じになったのですが、
奥田さんのどうしてもという申し出で、なんだか僕も着いて行くことになって
しまったんですよ。市野くんもそうとういっぱいいっぱいだったので、
もうどうでもいいよ、って感じで僕が着いて行くことを承諾してました。
そして結構暗い公園の便所の前で二人は話だしたんです。
市野くん「奥田さん。俺、やっぱり奥田さんのことが忘れられないんだ」
奥田さん「ごめんなさい」
はやっ!!!
この予想外の展開に、僕は笑い声を咳払でごまかすようにして大爆笑。
そして市野くんは続けます。
市野くん「誰か好きな人いるの?」
奥田さん「別にいないです(キモイんだよっ!!)」
市野くん「じゃーさー、第二の恋人でもいいかな?」
何を言ってるんですかこのパンチは。好きな人がいないと言っているのに、
第一を飛び越して第二の恋人なら付き合えるかもしれないって思ったんですか?
第一がいないってことは第二が必然的に第一の恋人じゃないですか。
なにこざかしい言葉のトリックを使ってるんだこのパンチんぐパチ子先生は!!
奥田さん「ごめんなさい。無理です」
それはそうだ。こんなあほな提案にのる奴がいるはずがない。
それを聞いて市野くんはもうあきらめた感じで言いました。
市野くん「じゃー、最後にキスしてくれるかな?君を忘れるために」
もうここまでくると、この惚れっぽいデブの精神を疑います。
なんで、二時間ドラマヒロインたちが複雑な状況から、
お互いに愛し合っているのに別れを選択するしかなくなったときに言う
キメの台詞を、このロマンチストなパンチデブは、公園の便所の前で振られた
後に言っているんですか?その言葉を聞いた奥田さんは逃げるように走って
行きましたよ。これじゃ、一緒にいた僕も痛い子じゃないですか。
この事件以来、僕は市野くんとは全く連絡を取らなくなりました。
風の噂では高校の数学で0点を取ったそうです。
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